伊豆からの便り(日記)2011/04/07 20:17

手づくり豆腐と野菜
 今日、伊豆に住む友人から荷物が届きました。開けてみると食料がぎっしり。「伊豆の野菜とウチの豆腐、少しですが送ります。春ももうそこに。元気出してねー!」という手紙が添えられていました。彼女は伊豆で手作り豆腐を作っています。地震以来私たちのことをとても心配していたそうです。ありがたいことです。
 伊豆から見れば、栃木は福島の隣だし、野菜から放射能が出たり、ものすごく大変な思いをしているのではと心配していたのです。ここも被災地に見えるみたいです。私たちから見れば、確かに屋根瓦が落ちたりはしたけれど、自分達はまったく被災者じゃない、地震と津波と原発にやられた被災地は遠くにある・・・と思っています。私たちは栃木にいながら、福島は大変だろうなと心配しています。しかし、足利や桐生には福島から避難してきた方たちが大勢います。ついこの間までガソリン不足でした。電車も動き出して、回復はしていますが、節電で薄暗い駅のエスカレーターは止まったままです。その中にいると、だんだん慣れてきて、感じなくなってきていますが、でもやっぱり普通じゃありません。何より放射能の影におびえています。
 実は、遠くの友人が心配することのほうが、私たちの本当の姿なのかもしれません。時々、外からの目で、私たち自身を見ることが必要だと思います。中にいると見えなくなってしまうことがあるかもしれません。

農水省に聞きました2011/04/07 23:07

 「千葉県産の魚に値もつかず、農水省、風評被害排除へ通知」という記事が出ていました。海に放射能汚染が拡がる中、漁民の被害は甚大です。この通知で、「正当な理由なく取り扱いを拒むことは違法」とし、「科学的・客観的な根拠に基づく適切な行動」を求めています。 http://www.maff.go.jp/j/press/soushoku/sijyo/110406.html#b1
 はてさて、「科学的・客観的な根拠」とはいったい何でしょう?これは大きな疑問です。これは、直接、農水省に聞いてみるしかないと思い、思い切って電話してみました。ホームページにはちゃんと電話番号と担当者名まで書いてあります。電話は意外とあっさりつながり、趣旨を伝えると、一般の方ですかというので、ハイと答えるました。以下、その時の話を簡単に紹介します。

農水省総合食料局流通課
Q、通知で言っている「科学的・客観的な根拠」とは何ですか?
A、はっきり言って難しいです。すでに検査した結果、基準を超えたもので、国が制限を指示したものや、検査の結果、県などが自粛を要請したものについては、「科学的・客観的な根拠がある」ということです。
Q、検査されているものは、ごく一部ですが、検査してない他のものは「安全」なのですか?
A、私どもは、市場に流通しているものは「安全」という大前提でやっています。
Q、農水省として検査をやっていますか?
A、農水省はやっていません。それは厚労省の担当です。魚については水産庁に聞いてください。

という話でした。水産庁の担当課まで教えてくれたので、次にそちらに電話しました。

水産庁増殖推進部漁場資源課
Q、水産物の放射能検査はやっていますか?農水省はやってないと聞きましたが?
A、いや、もちろんやっています。まずサンプリングを県や漁協にやってもらい、その検査を独立行政法人水産総合研究センターで行います。
Q、これから始める段階なのですか?
A、今日、船を出して採りに行ってます。
Q、その結果は、いつ発表されますか?
A、明日以降発表します。ホームページにも掲載します。
Q、調査海域は?
A、茨城県と千葉県沖です。
Q、市場に水揚げした魚の検査はしないのですか?
A、市場でも検査をします。
以上です。

 つまり、農水省は、やっと今日から魚の放射能検査を始めたということです。検査もしてないうちから「科学的・客観的な根拠」に基づけと言っても始まらないのでは。ともかく今日から検査に乗り出しました。しかし、海域、魚種、採取数、採取頻度等、充分なサンプリングを行って、「科学的に」有効な調査結果を示して国民を安心させることができるのでしょうか。明日の結果報告を見守りたいと思います。
 「流通しているものは安全」という言葉にはちょっと驚きました。これだけ放射能が各地で検出されている中で、私たちが食品の安全性に不安を抱くのは当然の反応です。それに、きちっと答えるのが国の責任ではないでしょうか。それこそ、「科学的・客観的な根拠」でものを言う態度ではないと感じました。「危険」であることが証明されているもの以外は「安全」という論理は、放射能をめぐる国の態度とも共通しています。確定的な影響の出る高レベルの放射線被曝についてははっきり「危険」と言いますが、将来ガンになるかもしれないというような低レベル被曝の確率的な影響については、十分「科学的」に証明されてないとして、「ただちに影響はない」と言い、いつの間にか「安全」と言ってしまう。「危険」が「科学的」に証明されていないから、「安全」だなんて、科学でもなんでもありません。
 それともう一つ、私が感じたことは、役所の縦割りシステムということです。何を始めるのも、担当はどこ?というところから始まり、これでは時間がかかるなと思いました。この非常時に、農水省だ、厚労省だ、経産省だ、文科省だ、なんてやっているとどんどん対応が遅れてしまいます。放射能の測定だっていろいろな機関がバラバラにやっているように見えます。国や自治体というのはこういう時にこそ存在理由があるのに、システムとトップがどうもダメで、一線の職員はまじめで有能なのにそれを生かしきれていないような気がします。
 忙しい中、私のような一般市民にもていねいに対応していただきありがとうございました。頼りにしています。頑張ってください。

追記:水産庁ホームページにこれまでの検査結果が掲載されています。現時点では、まだ水産庁自身がサンプリングしたものは載っていません。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/Q_A/kensa_kekka.html 追記:水産物検査の最新情報(4/14) http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/Q_A/index.html