国破れて山河・・・なし!2011/04/12 19:14

「国破れて山河あり」春望より、杜甫
「国破れて山河在り」

 杜甫の詩に出てくる有名な言葉です。「人間の作り出したものは壊れてしまっても、美しい山河、自然というものはいつまでも変わらずに残っている」という意味だと、私は思います。この詩は、さらに、春が来て、また花が咲き草木が茂る、と続きます。「クニ」なるものは壊れ去っても、自然が新しい命を再生してくれるのだよ。そう私たちを慰めてくれる言葉のように聞こえます。素晴らしい詩です。
 私たち人間は自然の力によって生かされているというのが、昔からの東洋の人々の考え方でした。西洋文明においては、人間は自然と対立し、自然をコントロールしようとしました。そして、人間は、科学技術を発達させて、ついに「核の火」を手にしました。それは余りにも大きな力を持っていました。

「国破れて山河・・・なし!」

 人が作り出したものが、山河をも道連れに滅んでしまっては、いったい何が残るだろう。人が作った「原発」が壊れて、放射能が撒き散らされ、山河も壊れてしまったら、もう何も残らない。「原発」という巨大システムが、自然を道連れに破滅するのは、自然に対する「自爆テロ」ではないでしょうか。

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