原子炉内の「わずか」1%・・・それでも「広島」を超えた2011/04/15 17:30

放射性物質:放出したのは原子炉の「わずか」1%!・・・一体どれだけの放射能があるのか?

》》1〜3号機の放射性物質1〜2%放出…保安院
 経済産業省原子力安全・保安院は14日、福島第一原子力発電所1〜3号機にあった放射性物質のうち、約1〜2%が放出されたとの推計を発表した。
 東電から取り寄せた核燃料のデータから計算したもので、ヨウ素131は1〜3号機の原子炉内に計610万テラ・ベクレル(テラは1兆倍)あったが、このうち13万テラ・ベクレルを放出。セシウム137は71万テラ・ベクレルのうち、6100テラ・ベクレルが放出されたという。
《《読売新聞4/15

 今日の新聞に小さく載っていた記事です。事故当初から注目されていた基本データの一つが、今頃になって、さり気なく公表されました。ただし、あい変らず断片的なデータとして。そもそも、福島第一原発に存在する放射性物質の総量はいくらか?ということです。事故による放出量が不明というのは、まだ分からなくもありませんが、もともとの存在量は東電が把握しています。にもかかわらず、これまで黙っていました。それは、言いたくない事実、まさに恐怖を与えるほど膨大な放射能の量だからです。

公表された量の倍以上は存在する放射性物質
 福島第一原発全体では6基の原子炉とそれぞれに付属する使用済み核燃料プール、および一つの大きな共用プールがあります。燃料が入っていないのは4号機の炉心だけ。5、6号機の原子炉にも燃料は入っています。使用済み核燃料プールに入っている燃料集合体は1〜6号機で計4546本、共用プールに6375本、合わせて1万本以上の燃料集合体が保管されています。もちろん、これらすべてが放射性物質の固まりで、しかも冷却を必要とします。危機的状況で注視されているのは、1〜3号機原子炉と4号機のプールだけですが、全体ではその倍以上の放射性物質が存在しているはずです。ちょっと想像しただけでも、どれほど膨大な量の放射性物質が存在しているかがわかります。
 1〜3号機原子炉内の存在量は福島第一原発全体の一部分に過ぎません。それでも600万テラ・ベクレル以上のヨウ素131と70万テラ・ベクレル以上のセシウム137があったといいます。私はこの推定は過小評価だと思いますが、それでも膨大な量です。しかも、これまでの放出量が全体のわずか1〜2%に過ぎないというのですから、驚きです。しかも、いまだに漏れ続けて収束の目処すら立ちません。すでに、これだけ深刻な被害をもたらしている訳ですから、原発の潜在的危険性は、まさに想像を絶します。

死の灰の量、「福島」は「広島」を超えてしまった
 今回、レベル7だが放出量はチェルノブイリの「わずか」10分の1 と言われています。数字というのは、言い方一つでずいぶんと印象が変わるものです。私の年老いた母でさえテレビを見て「チェルノブイリの10分の1も少ないんだって」と言います。小さく見せたい時は大きいものを一緒に見せるという法則があります。では、大きく見せたい時は小さいものを一緒に見せればいいのでしょうか。原爆を例にあげてみます。広島に落とされた原爆は約1キログラムのウラン235が核分裂反応したと推定されています。そして推定10万テラ・ベクレル以上のヨウ素131や100テラ・ベクレル以上のセシウム137を放出しました。なんと、すでに死の灰の量では「福島」は「広島」を超えています。これは、福島原発1〜4号機の燃料だけで約20トンのウランが使われているのですから、驚くにはあたりません。ウランの量だけでも2万倍、ということは、生成する放射性物質(死の灰)の量も2万倍なのです。

 大きく見せたり、小さく見せたり、情報操作が公然と行われています。情報の中から冷静に事実だけをつかんで、評価や判断は自分でやるしかありません。

 東京電力のホームページから「>情報公開の取り組み>原子力データライブラリ」が消えています。使用済み核燃料の保有数を調べるのも大変でした。このような会社が、いまだに福島原発を管理し事故処理に当たっていることは、責任上は当然かもしれませんが、能力上は即刻止めてもらいたい。しかも、その東電からデータをもらわないと判断できない国の何たる情けなさ・・・・・