震災でリストラ・・・教え子との語らい(日記)2011/05/18 20:23

 先日、学校に教え子が訪ねてきました。なかなかうれしいものです。在学中は、私が地学を教えていたので、ときどき気象や海に関する質問に来ていたことを思い出しました。
 彼は船の仕事をしています。小型船舶の操縦免許を目指す人たちに学科や実技を教えています。その彼が、今回の大震災で会社をリストラされてしまったとのことです。こんなに身近なところまで深刻な影響が及んでいることにあらためて驚きます。会社は浦安にあるそうですが、今回の地震、特に液状化で相当被害を受けた上に、受講生が激減して、大変な状況になり、やむなくリストラとなってしまったようです。幸い、同じ仕事で別の会社に再就職できたので、引越しの挨拶にと私を訪ねてきたのでした。何とか次の仕事が見つかって、しかも好きな船の仕事を続けられて本当によかったと思います。
 地震の時はちょうど近くの海に出ていて、陸地の鉄塔などがユサユサ揺れるのを沖から見ていたそうです。幸い東京湾内は津波も来なかったので助かりましたが、津波が来ていたら本当に大変なことになるところでした。「船に乗ってて津波が来たらどっちに逃げればいいですか?」とか「地震の前に海の動物が異常行動をとった話知ってますか?」とか、質問攻めにあいましたが、逆にこっちが教えてもらうほどです。学校の先生なんて、理論はわかっても実地が弱いものですから。
 私は、世間話のついでに原発と放射能の話をしました。そのうち、放射線と放射能の違い、シーベルトとベクレル、体への影響、などとついつい熱が入って授業のようになってしまいました。だから教員は嫌われるのかもしれません。しかし、彼が真剣に聞いてくれるので、ますます熱く語り、「君たちの未来の問題だ!」などと、まるでアジ演説。まったく、教員の性です。最後に、何か質問あったらとメルアドまで教えて、ちょっと期待している私でした。

 彼のように若い人たちは、知識や経験は少ないかもしれませんが、感覚や本能はとても鋭いものをもっています。本来「いのち」というものは、知識で捉えるものではなく、感覚で捉えるべきものだと思います。私は、彼らの感覚や本能を信じています。私にできるのは、そのほんの手助けにすぎませんが、私なりに「ガンバリ」ます!