日本から原発の消える日2011/05/22 21:11

ハイログラフ
 「原発はどうにも止められない!」と思っているアナタへ

 福島原発事故直後の3月15日、ドイツでは30年以上経過した老朽原発をすべて停止して安全点検を行うと発表しました。ドイツは17基の原発を持っていますが、このうち7基が停止することになります。(さらに、 ドイツ政府は2022年までに脱原発を達成する方針です)
 ところで、原発の寿命は何年なのでしょう。おおむね、30~40年が設計寿命というのが一般的です。原発が運転を開始した1970年代当時は、30年と言われていました。日本でも、30年を経過した原子炉は、「高経年化」対策をとることになっています。つまり、30年以上経過した原子炉が、一般的には「老朽化」原子炉と言えます。それは、ドイツ政府が判断したとおりです。
 高温、高圧に加えて、高放射線という特殊環境下に数十年間さらされた、コンクリートや鉄の構造体、配管その他、無数の機器類が、すべて設計時の要求水準通りに働くことを、いったい誰が保障するのでしょう。しかも、地震対策など、設計時の水準がそもそも低いレベルにある場合、寿命どころではありません。
 ところが、電力会社は、廃炉のコストが莫大なことと、新増設が難しいことから、できる限りの寿命延長運転を望んでいます。これに対して、NHKでおなじみの御用学者 関村直人氏などは、「老朽化」と「高経年化」は違うとして、「原子炉には寿命はない」などと大胆なことを言って後押ししています。国の原子力安全委員会も60年までの技術評価が可能などと、夢のようなことを言っています。
 そして、これまで、敦賀1号(1970年運転開始)、美浜1号(1970年)、福島第一1号(1971年)の3つが、国によって運転期間の延長を認可されてしまいました。日本の原発は、老朽化が進んでおり、このほかにも、すでに30年超の原子炉が12基あります。そのうち5基は福島第1です。
 福島第1は超老朽原発でした。今回の事故でメルトダウンした1号機は今年の3月26日に40年を迎えるところでした。事故の真相が明らかになるにつれて、津波到達以前の地震動によってすでに 重大かつ複合的な損傷が起きていたことが分かってきています。老朽原発の危険性が証明されてしまったのです。
 今後、日本の原発は次から次へと寿命を迎えます。少なくとも30年を超えたら、つべこべ言わず廃炉にすべきです。40年超など、まさに言語道断です。

 上のグラフは、今ある54基の原発が寿命で消えていく様子を表したものです。シナリオ1は、今回の地震で停止した東日本の原発はこのまま廃炉にした上で、30年を経過した原発を順次廃炉にする場合です。シナリオ2は30年経過で廃炉、シナリオ3は40年で廃炉にする場合です。いずれにしても、今後20〜30年ほどで原発は消えてゆく運命にあります。こうなることが分かっているのですから、その間に、再生可能エネルギーを含めたエネルギーシフトを行っていけば良いのです。
 もちろん、このシナリオは今後一切の新設や増設をしないというのが条件です。 最新の世論調査では新増設と現状維持を合わせた割合よりも、減らすと廃止するを合わせた割合の方が多くなっています。将来を見据えた大きな流れとして、脱原発を望む人々の方が多くなっているのです。世界第3位の原発大国日本が脱原発にカジを切れば、世界の流れにも大きな影響を与えます。まさに、これからの地球の未来を変えるチャンスにしてほしいです。それが、せめてもの罪滅ぼしというものです。