電力不足はありません2011/07/20 07:43

 7/19(月)、東電のピーク時供給力が、5540万kWになっていました。さらに、今日(7/20)は、5560万kWです。かなり大きな数字を出すようになったことにお気づきでしょうか。
 東電は、7/15に 今後の供給見通し(第6報)を発表、50万kW上積み修正しました。これで7月末の最大供給力は5730万kW、8月末は5610万kWの見通しとなりました。東電は、いつも小出し小出しに発表しているので、この調子では、またいつ数字が変わるか分かりませんが、東電の言う通りなら、これで、今夏の電力需要はクリアーできるでしょう。しかも、東北電力への応援送電も可能になります。ちなみに、7/14には、広野火力4号機(100万kW)が運転を再開しています 家電Watch
 真夏のピーク電力は、平日の午後で、後は気温次第です。気温が30℃以上の時さらに1℃上昇で170万kW電力需要が増えるという経験則 (東電資料)があります。今のところ、先週7/15に記録した4640万kWが今夏最大ですが、その時の最高気温が33.7℃でした。記録的猛暑を記録した昨夏の最大需要は7/21午後2〜3時の5918万kWで、その日の最高気温は東京で36.3℃でした。ですから、昨年並みの猛暑なら、あと3℃上昇と考えて、さらに513万kW需要が増えるとします。そうすると、5153万kW必要となりますが、これでも東電の供給力見通しに対して相当な余裕と見て良いでしょう。なお、東電の今夏最大需要の想定は5500万kWとなっています。
 このところ、気温の割には電力需要が大きくなっていません。もしかすると、東電が思っている以上に需要が下がっているのではないでしょうか。いまさら、節電のやりすぎ?と反省しているかもしれません。実際、ピーク時最大電力需要は2001年の6430kWをピークに後は増減を繰り返しながら少しずつ減ってきています。 (東電資料)大きな原因は経済の落ち込みや停滞です。それと節電も進んできました。瞬間的なピークは気温の影響を大きく受けますが、それでもこのところの大きな流れは、電力消費の縮小傾向なのです。
 余談ですが、東電などがさかんに売り込んだ「オール電化」とは、電力会社の売上げ回復策だったということがよく分かります。
 政府やマスコミは、ここまで見通しがはっきりしてきているのに、まだ「電力危機」などと煽り立てています。原発が止まると電力が足りないというのは、原発を前提に供給計画を立てているからです。今や全原発停止後の電力供給計画を考えるべき時です。
 限りある資源、限りある地球環境の中で、いつまでも、経済だけが無限に拡大成長を続けられるはずがありません。もはやエネルギーの大量消費時代は終わったと考えるべきです。子々孫々、未来まで持続可能な社会を作るためにどうすべきか考えましょう。