電力不足はなかった・・・東電7月の電力需給2011/07/31 23:46

7〜8月、各週の最大需要想定値
 7月になって、東電は毎週「今夏の需給見通しと対策」を発表しています。この中で、毎回必ず変わる数字があります。それは、「各週の最大需要想定値」です。7/1発表の第4報から7/29の 第8報を見比べてみました。上の図参照
 発表するたびに、直近の1週間分の想定値を大幅に下方修正しています。最高気温の週間予報に従って下方修正しているものと思われますが、あまりにも想定値が変わりすぎます。例えば、7/29発表の第8報では、7/30〜8/6の最大需要想定値は4310万kWですが、一つ前の第7報では5500万kWでした。1200万キロワットもの下方修正をするのは余程のことです。
 東電は今夏の最大需要を5500万kWと想定しています。それは、いつも予測第2週目以降が一律5500万kWとなっていることからも分かります。この5500という数字は、昨年並の猛暑(36℃)と仮定した上で、大口需要家の15%節電を織り込んで出されたものと考えられます。
 ところが、最高気温がそれほど上がらないことと、節電が想定以上に行き届いていることから、電力需要は予想以上に落ち込んでいます。昨年同期で気温も同じ条件で比較すると、例えば、7/29(金)は最高気温29.4℃で最大需要3871万kW、昨年の7/30(木)は最高気温29.2℃で最大需要5053万kWでした。およそ23%減となっています。昨年の最大需要5999kW(7/23、35.7℃)と今年の最大4627kW(7/15、33.7℃)を比較しても23%減です。
 結果的に今夏のピーク時最大電力需要は昨年の2割以上減っています。それは気温と対応させてもほぼ同様です。このような状況を踏まえて、改めて今夏最大需要を予測すれば5500万kWは過大な予測ではないでしょうか。お盆過ぎに暑さがぶり返したら余談を許さないなどと言っていますが、昨年8/17(火)最高気温37.2℃(東京)で最大需要5887万kWでした。それから考えても今夏5500というのは、今となっては過大な見積りと言えるでしょう。
  8月の月間天気予報が気象庁から発表されています(7/29)。これによると、前半は平年より晴れの日が少なく気温も低めと予想、後半の3〜4週に平年並か高めをそれぞれ40%と予想しています。8月後半の暑さがどうなるかの予想は、もう少しするとはっきりしてきます。その時に、もっと確度の高いピーク予測を行い、ピークカット対策を実施すれば良いことです。
 仮に5500万kW予想通りでも供給力範囲内ですから心配はいりません。いずれにしても、東電管内で今夏の電力不足は起こらないでしょう。それどころか、東北電力への応援も可能です。そろそろ、涼しい日にも意味のない節電を強要している「過剰節電」を見直した方が良いと思います。

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