台風と放射線2011/09/23 22:49

台風接近と放射線値の変化
 9/21、台風15号の接近通過に伴って空中放射線量が増加しました。これは関東全県で観測されています。上のグラフはその一部を描いたものです。上段は福島市、下段は関東の一部と静岡県のデータです。データは文科省の都道府県モニタリングデータより取りました。
 静岡から東京、北関東と台風の通過順に上昇しています。ところが福島では逆に台風が近づくと下がっています。お断りしますが、上のグラフと下のグラフは10倍ちかく目盛りが離れています。関東では0.1レベルですが、福島は1.0レベルです。いかに福島がひどい状況にあるか改めて分かります。
 これとは別に、21日に関東における線量の上昇は友人らの測定でも明らかでした。ネット上にも多くの情報が出ていました。
 なぜ、このようなことが起こるのか考えてみました。モニタリングポストは高い位置に設置してあり、空気中の放射性物質をキャッチするには都合良くなっています。各地で同様に増加を観測したということは誤差とかいう問題ではなく、空中の放射性物質の量が増えたことを表しています。
 おそらく単純に、台風による風と雨のせいだと思います。台風の接近中は強い北〜北北西の風が吹いていました。台風を中心とする左回りの渦巻きですから、風は福島原発付近から関東へ流れていたはずです。さらに激しい雨で降下物の量が増えました。これで関東地方に普段より多くの放射性物質が流れ込んだと考えられます。
(追記:考えてみれば、台風は巨大な渦巻きで、その中心に向かって風が吹き込むわけだから、大気中のゴミも中心に集まってくるのが道理です。)
 福島市では逆に下がりました。この理由はよく分かりません。福島市でも北寄りの風が吹き、雨が降りました。滞留している放射性物質を吹き飛ばしたというような推測はいくらなんでも安易な気がします。
 風が吹き雨が降れば今でも放射性物質が降ってくるという現実。いまだに原発からは毎時2億ベクレルの放射能が放出され続けています。地表には膨大な放射性物質が残留しています。あたかも収束に向かっているかのような報道がされていますが、まったくトンデモナイ!ことだと思います。

(9/29追記)アエラの今週号に、台風時の放射線量増加について記事が出ていました。原因は、大気中のラドンが降雨によって降下して来たためと書かれています。ラドンは天然に存在する自然放射線源の一つです。確かに、事故前の自然放射線量の変動幅いわゆる自然界のバックグランドを十分理解していないと判断が難しいことです。今では、バックグランドと事故の影響が入り混じって表れています。また、福島の放射線量減少は雨水が一時的に地表面を遮蔽したためと推測しています。
これらのことについては、さらに詳しく調べたいと思います。

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