この冬の電力需給見通し〜節電の必要なし!2011/11/06 16:29

冬の電力需給見通し
 11/1、国は今後の電力需給の見通しを発表しました。マスコミは、関西電力や九州電力で電力不足などと報道していますが、政府発表をよく見ると、全国では電力は十分足りていることが分かります。足りない部分ばかりを大きく報道して危機感を煽っています。同じ日に、玄海原発4号機の再稼働が強行されています。これは偶然ではないでしょう。電力不足が原発再稼働の口実ですから。
 さて、この冬の電力需給見通しですが上の表を拡大してご覧ください。これは、国が発表した資料です。もちろん停止中の原発は再稼働しないことを前提としています。一番右の9電力合計を見ると、1月の最大需要予測1億5781万kWに対して、供給力1億6163万kWで、その差は383万kWプラスとなっています。つまり、日本全体で見れば電力は足りているわけです。そこのところは国も認めています。
 それなのに、国は節電要請を出しました。関西電力管内で10%以上、九州電力管内で5%以上の節電目標を設定しました。強制力のある電力制限令とは違いますが、国が節電目標を設定したからには、いたるところで節電が実施されるでしょう。これまで何度も言いましたが、節電自体は良いことです、しかし電力が足りるのに節電を強いるのは、電力危機世論作りのための脅しです。
 実際は、電力の余っている中国電力や中部電力、そして一番余裕のある東京電力などが、足りない関西や九州に融通すれば済むことです。国の資料には電力会社間の融通をすると明記されていますが、その内訳については書かれていません。そういう大事な所をわざと曖昧にしています。
 1月末には全国で稼働中の原発は4基だけ、2月末には3基だけになります。原発の発電量は1月末で427万kW、2月末で340万kWだけです。数字の上でも原発は必要ありません。
 来夏の電力需給に関しては、また改めて書きたいと思いますが、とりあえず、今夏(節電)同様なら余裕、前年夏(猛暑)同様なら不足、というデータが示されています。もちろん原発なしで。・・・どうやら、原発がないと電力危機に陥るというのは錯覚のようです。ただ、電気をこれまでのように野放図に使うことはできないというだけです。
 国やマスコミにだまされてはいけないと思います。

今後の電力需給対策について(エネルギー・環境会議)
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20111101/siryo2.pdf

夏より厳しい冬の節電…綱渡りの電力需給(読売新聞)煽っているマスコミの代表
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20111102-OYT1T00006.htm

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