クラゲ来襲〜大飯原発2012/07/09 00:05

クラゲ大発生
 大量のクラゲによって大飯原発の出力が低下するというアクシデントが起きています。一体どうしてこんなことが起こるのでしょう。クラゲまでもが再稼働に反対しているのでしょうか。
 日本の原発はすべて海辺に建てられています。それは、冷却のための水を海から取っているからです。冷却というのは、発電機タービンを回した後の高温蒸気を冷やすことです。蒸気を冷やして水に戻します。そのための冷却水に海水を使っているのです。冷却用の海水は復水器の中の細管を通っています。原子炉一基当たり毎秒40〜50トンもの海水が使われています。多摩川の流量が毎秒40トンといわれていますから、立派な川と同じレベルになります。しかもたった一基だけでです。
 大飯原発では大島半島の先端の小浜湾側に取水口があります。なお、排水口は北側の若狭湾側にあります。取水口には大河が流れ込むように海水が吸い込まれていきます。浮遊物などが流れ込まないように何段階もの柵やネットがありますが、一度にたくさんのクラゲが流れ込めば、ネットに引っかかって溜まり海水の流入を妨げます。そのため流入量が減少し、復水器の効率が落ちることになります。夏は海水温も高くなるのでなおさらでしょう。
 クラゲはほとんど自分で泳ぐことができません。浮遊生物(プランクトン)です。潮流にのって流れてきます。若狭湾一帯では日本海を沿岸に沿って西から東へ流れながら北上する沖合の大きな流れと、湾内をぐるぐる回る沿岸潮流があります。クラゲはこの流れにのって移動しています。小浜湾内の潮流の流れは湾口西側から入って湾内を反時計回りに回って湾口東側から出て行くようになっています。したがって、外洋から流れ寄ったクラゲはちょうど細くなった湾口の西側、つまり原発取水口付近に集まってくると考えられます。ニュースでは取水口付近にクラゲが大発生したなどと言っていますが、原発が掃除機のようにクラゲを吸い寄せているのです。
 今回問題になったクラゲが何クラゲであるかはっきりしませんが、写真で見たところではミズクラゲのようにも見えます。この他、近年大発生で問題になっているエチゼンクラゲという可能性もあります。これは巨大クラゲとも言われ、大きなものでは2mにもなります。悪者扱いされているので福井県ではエチゼンといわないようにしているという話も聞きます。大発生の原因は温暖化や海水の富栄養化などが原因と言われていますがはっきりわかりません。そういえば原発自身が温排水によって海を温めています。排水される時には約7℃温められています。少しは関係あるかもしれません。
 実は、発電所へのクラゲの来襲はよくあることです。これも自然の警鐘のような気がしてなりません。どこかで自然界のバランスが崩れてはじめているのではないでしょうか。クラゲまでもが原発再稼働に怒っている、と私たちは受け止めるべきかもしれません。

大飯原発 クラゲで発電出力下がる(NHK7/8)