脱原発本気度チェックリスト(東京新聞より)2012/11/23 20:27

超党派で脱原発に取組んだ前衆議院議員(東京新聞11/23)
 今日(11/23)の東京新聞にこんな一覧表が載っていました。そっくりご紹介します。「前衆議院議員たちが原発政策についてどんな議員活動をしてきたか」というチェックリストです。ここに載っている前議員は、実際に何らかの「脱原発活動」をした人たちです。
 ①「脱原発基本法案」の衆議院提出に賛同した議員が79人、②超党派の「原発ゼロの会」に参加した議員が68人、③市民運動「さよなら原発1千万人署名」に賛同した議員が60人、④「原子力規制委員会人事案見直し要望書」に署名した議員が36人という内訳になっています。一人の議員がそれぞれに重なって動いている例も多いので、いずれかに関わった人数は合計118人になります。これは衆議院議員定数480人の約4分の1となります。
 このリスト、脱原発に向けた政治家の本気度を見極めるための一つの重要な判断材料となるでしょう。マスコミも一体になって原発争点隠しが横行している中で、さすがに東京新聞は頑張っています。記事の冒頭に載っていたある有権者の声「本気で脱原発をしようとする政治家にしか一票を投じない」私も全く同感です。

脱原発本気度 議員活動で検証(東京新聞11/23)

大間原発〜プルトニウムとの因縁2012/09/29 12:48

大間原発建設状況(電源開発より)
 政府は「大間原子力発電所」の建設工事を再開させる方針を発表しました。政府の言う「原発ゼロ」が「嘘八百」なのは初めから分かっていましたが、早々と原発の新設を認めるというのには驚きます。それが大間原発というのはある意味象徴的です。今回は大間原発の問題点について考えます。
 大間原子力発電所は、青森県下北半島北端の大間町に電源開発(株)が建設中の、出力138万kW改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)、現在工事の半分近くが終わっていますが、3.11以後工事はストップしたままでした。
 この原発の最大の問題は「フルMOX」燃料を使った原子炉だということです。MOX燃料というのはウランとプルトニウムを混ぜて作った燃料です。と言うよりウランの代わりにプルトニウムを使う燃料です。すでにプルサーマル計画と称して国内4カ所の原発で使われました(現在はすべて停止中)。これらは通常のウラン燃料集合体の一部をMOX燃料集合体に置き換えて炉心に装荷したもので、MOXは全体の25〜40%程度です。大間原発ではこれを100%MOXにした商業用としては世界初のフルMOX原子炉です。重さにして6.1トンのプルトニウムが使われます。初めからまさにプルトニウム満載の原子炉なのです。
 MOX燃料の危険性は数多く指摘されています。核分裂反応度の制御が難しい、原子炉の余裕度が減少する、燃料の溶融温度が低くなる、などなど。さらに、使った後も難問があります。MOX使用済み核燃料は発熱量(崩壊熱)が非常に大きく、燃料プールでの冷却に相当長い時間が必要となります。5年のところを30年というようなレベルです。それは福島原発事故のような冷却不能に陥れば、はるかに危険な状態になるということです。しかも、大量のプルトニウムが放出される恐れがあります。
 非常に放射能毒性が強く、取り扱いも難しく、しかも原爆の材料にもなるという厄介なプルトニウムをどうしてわざわざ原子力「発電」に使うのでしょう?
 そもそも大間原発の計画は、1982年原子力委員会が大間に「新型転換炉」を作る計画を決めたところから始まります。新型転換炉とはプルトニウムが本格的に利用できる上、通常の軽水炉より使用済み核燃料の中にプルトニウムがたくさんできる原子炉で、高速増殖炉のように核燃料サイクルのパーツの一つとして計画されたものです。かつて「ふげん」が実験炉として稼働していましたが現在は廃炉作業中です。大間原発、そのスタートからしてプルトニウム絡みでした。ところがこの計画、1995年に“電事連”が建設中止を申し入れて計画中止となっています。それと入れ替わりで登場したのが「フルMOX原子炉」なのです。計画中止の翌月には原子力委員会がこの新計画を決定しています。初めから交換条件でした。
 大間原発は電気を作るために必要なのではなく、プルトニウムを使うために必要なのです。だから電力消費地から遠くはなれた本州最北端に作られるのです。すでに電力は原発なしでも足りることが実証されても、なお大間原発を作る必要性はプルトニウム利用しかありません。
 日本は「核燃料サイクル」という夢のような政策をぶち上げ、45年の時間と莫大なお金をつぎ込んできました。要となる「もんじゅ」が動かず、六ヶ所の再処理工場もできていない上、福島原発事故という破局を迎えても、まだ悪夢から目が覚めないのでしょうか!今すぐプルトニウム利用政策を放棄すべきです。
 「原発ゼロ」を後退させ骨抜きにしたという主にアメリカからの「外圧」もプルトニウム問題と深くかかわっています。日米原子力協定や国際原子力パートナーシップ協定でプルトニウムの国際管理という名の下に各国の役割が割り振られています。そこでは日本は、危険で金のかかる核燃料サイクル技術の、まるで唯一の開発実験国家のようになっています。しかも、これまでの過程で抽出された日本の保有するプルトニウムは25トンにもなります。これをどう”消費”させるかも大問題だからです。
 大間原発の建設再開と運転開始は、プルトニウム利用政策の継続、ひいては再処理事業の継続を、内外に向けて高らかに宣言するものです。単なる着工した原発をどうするかという問題にはとどまらない重大な問題を孕んでいるのです。

大間原発 建設再開へ 「新増設せず」骨抜き(東京新聞9/29)

「脱原発基本法」~国会の場に2012/09/11 19:24

 9/7、衆議院に脱原発基本法案が提出されました。国会の場に「脱原発法」が提出されるのはもちろん初めてのことです。思い起こせば、20年前、チェルノブイリ原発事故の後、故高木仁三郎さんらが中心になって「脱原発法」の制定を目指す大きな運動がありました。当時350万人の署名をもって国会請願を行いましたが、国会にかけられることもなく葬られた苦い思い出があります。脱原発法制定は高木さんの遺志を継ぐものでもあります。
 今回、作家大江健三郎さんらが呼びかけ人の市民団体「脱原発法制定全国ネットワーク」が中心になって原案を作り国会議員に働きかけて議案提出にこぎつけました。36名もの衆議院議員が名を連ねての法案提出ができたことは感慨深いものがあります。しかも、すでに賛同を表明している国会議員が67名に達しており、合わせて100名以上の国会議員がこの法案に賛成しています。下記リンクで誰だかご確認ください。
 国会の仕事は国の法律を作ること。政府の仕事はそれにしたがって国を動かすこと。であるならば、国民の代表である国会が、国民の声を聞いて脱原発を決め、政府を動かすことができるはずだし、それが本来の姿です。
 法案は基本法の名の通り国の歩むべき道筋を示したもので極めてシンプルです。条文は9条までしかありません。下記リンクでぜひご一読ください。この法案のポイントは、一つは明確に脱原発の期限を切ったことです。

 第3条(基本理念)脱原発は、遅くとも、平成32年から平成37年までのできる限り早い3月11日までに実現されなければならない。

 つまり、遅くとも12年後の2025年3月11日までには実現させるということです。これに対しては「即時廃止」を求める多くの声があります。私もそうです。即時廃止法案でないことは少々不満ですが、期限付きで原発を廃止することが明確になることは大きな前進です。今の政府や選挙前の各政党が言っている「脱原発を目指す」とか言う曖昧な話ではないのですから。
 そしてもう一つ、最新の科学的知見に基づいて定めた安全基準に適合しなければ運転を認めないとしていることです。これに照らせば、現在の原発の再稼動は相当困難なものとなります。福島原発事故の科学技術的な検証ができずに最新の知見もくそもないからです。また、各地で活断層再評価も持ち上がっています。安全基準が厳しくなった時、たかだか10年しか使わない原子炉に莫大な設備投資をすることはないでしょう。つまり、実質的に即時廃炉に向かう可能性が大きいといえます。
 法案では、この他に国の責務として、省エネ推進、再生可能エネルギー発電の普及、発送電分離等とあわせて原発立地地域の経済雇用対策を義務付けています。さらに、内閣は脱原発基本計画を作成し、それを着実に実施し、その状況を国会に報告するようにも定めています。まさに、国の向かうべき道筋を示したものとなっています。
 国会は9/8に閉会したので、この脱原発法案は衆議院で継続審議となりました。なぜこんな時期に法案提出したのかといえば、それは国会議員に態度を明らかにしてほしいからです。近々解散総選挙となったとき誰に投票するか、私は、原発政策で選ぶつもりです。すでに脱原発法に賛同を表明している衆議院議員が79人います。これは一つの重要な判断材料となるでしょう。今後、候補者一人ひとりに脱原発法への賛否を問いたださなければなりません。
 提案者及び賛成者名簿を見ると、国民の生活が第一・きずなが22人、社民党6人、減税日本が3人、新党大地が3人、無所属が2人です。賛同者名簿では、民主党・無所属クラブ39人(ここには菅直人も入っています)、国民の生活が第一・きずなが3人、たちあがれ日本1人(以上衆議院)、民主・緑風会16人、みんなの党1人、社民党・護憲連合4人、みどりの風1人、新党大地1人、無所属1人となっています。もともとの人数が多いせいもありますが、民主党と元民主党議員が大半を占めています。こうなってくると民主党とは一体何だったのかと思わざるを得ません。さらに、あの議員の名前はなぜ無いの?とか自分の選挙区では一体誰が?など、悩みは尽きません。

脱原発基本法案
提案理由
提出者名簿
賛同者名簿
以上、福島瑞穂氏のブログより参照しました。

脱原発基本法案を提出 全国ネットが作成(東京新聞9/7)

原発ゼロでも電気は足りる・・・実証!2012/08/26 13:08

関電の電力需給状況
 「猛暑の夏」が終わろうとしています。そして「電力不足」などまったく起こりませんでした。そうです「原発ゼロでも電気は足りる」ということを実証した夏でした。
 上のグラフは8/15 東京新聞に載ったものです。今夏は8/3に最大需要2681万kWを記録しましたが、その時の供給力は3095万kWあり、差し引き414kWの余力で、原発2基236万kWをゼロにしてもまだ余力を残していることが分かります。
 政府や関電は「2010年並みの猛暑になれば電力が大幅に不足する」と言ってきました。ところが2010年猛暑と今夏の気温はほぼ同じなのに全く電力不足は起こりませんでした。政府の予想に反して節電・省エネが普通のことになっていました。もはや電力の大量消費時代は終わっているのです。
 夏前に「このままでは電力が不足する」と言った電力会社や国、「電力危機は命の危機」と恫喝した野田首相、「電力不足を回避するため」と大飯再稼働を認めた橋下大阪市長や関西広域連合の首長たち、そして声高に電力危機を煽った一部マスコミ・・・彼らは今どうしているのでしょう。またも「想定外」のできごとなのでしょうか。改めてこの夏の検証が必要だと思います。

「放射線の大研究」夏休みの自由研究におススメ2012/08/09 21:00

DNAが放射線で切断されています
 早いもので、子どもたちの夏休みもすでに半分を過ぎようとしています。気になるのは宿題ですが、自由研究がまだこれからというお子さんに、こんな自由研究はいかがでしょう。
 その名も「放射線の大研究」、子ども向けの本としては待ちに待った、難しい放射線をやさしく噛み砕いて解説する、まさに決定版とも言える本が出ました。8月1日発行のできたてのホヤホヤです。監修は「原子力教育を考える会」、PHP研究所の「楽しい調べ学習」シリーズの中の一冊として発行されました。図書館においてあるようなハードカバーのちょっと大きめな本で、定価は2800円です。
 「原子力教育を考える会」は、原子力資料情報室に集まった学校教育に関心のある人たちによってつくられたグループです。文科省の放射線副読本にみるように、これまで放射線や原発に関する学校教育はほとんど電力会社や政府の広報となって、一方的な情報に偏っていました。これに対し、原子力のマイナス面もふくめた公正な情報を提供することをテーマとして活動している人たちです。
 内容を簡単にご紹介します。
 私はまず表紙の絵に感動しました。DNAが放射線の電離作用によって切断されている絵です。
 <はじめに>と<この本の特徴>には、この本のコンセプトがよく分かるので、そっくり紹介してしまいます。
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<はじめに>
 2011年3月11日の東日本大震災によって福島第一原子力発電所の6基の原子炉のうち4基に大事故がおき、1年以上たった今もまだ安全な状況にはなっていません。たくさんの使用済み核燃料が入った燃料プールが、大きな余震にたえられるのか、だれにもわかりません。この状態がこの先何年続くのか、それもわかりません。
 原子炉から放出された放射性物質(死の灰)が福島県をはじめ、東北地方や関東地方の多くの土地や海洋を汚染しました。その結果、その土地に住み続けなければならない人や、そこでとれた農作物、海産物を食べる人の健康が心配されています。おもな汚染の原因である放射性セシウム137の量は、30年たってもようやく半分になるだけですから、これから私たちはいやおうなしに放射能とつきあっていかなければなりません。そして、その中で健康を守っていくためには、放射線や放射能のことをよく知ることが必要です。
 事故がおきて、はじめて原子力発電にはこのように深刻な危険がともなうことに気がついた人が多いと思います。それはなぜでしょうか。
 これまで学校やテレビ、新聞などで、原子力発電の本当の姿を教えてこなかったためではないでしょうか。
 この本では、原子とは何かからはじめ、原子力発電の原理や、発電にともなって出てくる放射線が人体にどのように影響するのかなどについて解説します。
 読者の皆さんがこれからどのようなエネルギーを選択していくのがよいのか、考えるための資料となれば幸いです。
<この本の特徴>
 大地震と大津波による福島第一原子力発電所の水素爆発事故により、大量の放射性物質が放出され、大地に降り注ぎ、山や川、海を汚染しました。しかし、私たち人間は放射能を無毒化する手段をもっていません。今後何千年、何万年ものとても長い間、放射性物質に汚染された世界で生きていかなければなりません。
 本書は、放射線について、できるだけわかりやすく説明しています。放射線を正しく知ることで、なぜ危ないのか、どのように自分の身を守ればよいかを考えてもらいたいと思っています。
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<目次>
1章 放射線の基礎知識
・放射線って、なんだろう?
・放射線には、どんな種類があるの?
・内部被ばくと外部被ばくはどうちがう?
・放射性物質には、どんなものがあるの?
・放射性物質は、いつか消えてなくなるの?
・シーベルトやベクレルって、どんな単位?
・放射線はいつからあるの?
・人がつくった放射線はどんなもの?
・くらしに放射線が使われているの?
・医療被ばくって、なんだろう?
2章 放射線による人体への影響
・放射線は、なぜ体に悪いの?
・被ばくすると、どんな影響があるの?
・子どもは放射線の影響を受けやすいの?
・地面や海に落ちた放射性物質はどうなるの?
・放射線の基準値って何?
・放射線はどのように測るの?
・チェルノブイリ原子力発電所事故の影響って何?
3章 放射線から身を守る
・外部被ばくや内部被ばくをすると、ほかの人にうつるの?
・遊ぶ場所に気をつけたほうがいいの?
・除染って何?
・雨で流れた放射性物質はどこへ行くの?
・放射性カリウムは食べ物に多くふくまれているの?
・野菜の放射性物質は洗えば落ちるの?
・放射性物質をふくんだ水を沸とうさせると、飲めるようになる?
・どんな食品を食べればいいの?
・被ばくしているかどうかを調べることはできるの?
・放射線測定器はどのように使うの?
・原子力発電って、なんだろう?
・原子力施設で事故がおこったら?
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 最後に元素周期表まで付いています。これは、高校でも使えそうです。と言うか、大人もにも読んでほしい本になっています。もちろん、小学生でも分かるように書かれていますし、すべての漢字にはルビがふってあります。子どもがいなくても買って読む価値はあります。自分の役にも立ちますし、どこかで子どもたちに聞かれた時にきっと役にたちます。
 こどもたちに、真実を、伝える、教える、ってことはとても大事なことだと思います。はたして、大人たちはどんな世界を子どもたちに残そうとしているのでしょう?最近、大人の責任ということをよく考えます。

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原子力教育を考える会