「0%」意見表明、あなたもできます〜パブコメ2012/08/07 19:39

パブコメの入力フォーム
 あなたは、将来の日本の原発比率をどうすべきだと思いますか?
次の中から選んで下さい。
 0%、15%、20〜25%

 実は、全国民が誰でも意見を言うことができます。それが「パブリックコメント」です。略して「パブコメ」。政府が重要政策の決定にあたって広く国民の意見を聞く・・・というのがその目的です。
 今「将来のエネルギー基本政策」に関するパブコメ募集が行われています。締切まであと4日!まだ間に合います。ネットを使えば簡単に提出できます。デモで意思表示をするのと同じこと、意見表明をする大事なチャンスです。ぜひ多くの人にこのチャンスを生かしてほしいと思います。
 「パブリックコメント」は「意見聴取会」や「討論型世論調査」などと同じく「国民的議論の場」と位置づけられています。そのなかでもっとも演出・誘導しにくいのがパブコメだと思います。圧倒的多数の意見が「0%」となれば、それを無視することはできないはずです。もちろん電力会社や原子力ムラの人たちは組織的のパブコメを出しているでしょう。それを圧倒的に上回る真の「国民」の声を届けなければなりません。

 ちなみに私はこんな感じで書きました。
「2030年に0%ではなく、ただちに0%にすべき。たった一度の原発事故のために広い国土が放射能で汚染され多くの人々が故郷を追われている。この悲劇を二度と繰り返さないためには原発を無くすしかない。」(意見概要は百字以内)
 0%を強調して、あとは何でも自分の思いを書ければ良いと思います。なお、2500字以内で書ける意見説明の欄もあります。

「エネルギー・環境に関する選択肢」に対する 御意見の募集(パブリックコメント)内閣府
<提出期限> 8月12日(日)午後6時必着! ネット入力、またはFAX(所定用紙)のみ

以下のPDFを開くと簡単な説明があります。
「エネルギー・環境に関する選択肢」に対する 御意見の募集(パブリックコメント)について

意見登録フォームを使えば簡単にパブコメができます。
内閣府共通意見等登録システム

「放射線の大研究」夏休みの自由研究におススメ2012/08/09 21:00

DNAが放射線で切断されています
 早いもので、子どもたちの夏休みもすでに半分を過ぎようとしています。気になるのは宿題ですが、自由研究がまだこれからというお子さんに、こんな自由研究はいかがでしょう。
 その名も「放射線の大研究」、子ども向けの本としては待ちに待った、難しい放射線をやさしく噛み砕いて解説する、まさに決定版とも言える本が出ました。8月1日発行のできたてのホヤホヤです。監修は「原子力教育を考える会」、PHP研究所の「楽しい調べ学習」シリーズの中の一冊として発行されました。図書館においてあるようなハードカバーのちょっと大きめな本で、定価は2800円です。
 「原子力教育を考える会」は、原子力資料情報室に集まった学校教育に関心のある人たちによってつくられたグループです。文科省の放射線副読本にみるように、これまで放射線や原発に関する学校教育はほとんど電力会社や政府の広報となって、一方的な情報に偏っていました。これに対し、原子力のマイナス面もふくめた公正な情報を提供することをテーマとして活動している人たちです。
 内容を簡単にご紹介します。
 私はまず表紙の絵に感動しました。DNAが放射線の電離作用によって切断されている絵です。
 <はじめに>と<この本の特徴>には、この本のコンセプトがよく分かるので、そっくり紹介してしまいます。
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<はじめに>
 2011年3月11日の東日本大震災によって福島第一原子力発電所の6基の原子炉のうち4基に大事故がおき、1年以上たった今もまだ安全な状況にはなっていません。たくさんの使用済み核燃料が入った燃料プールが、大きな余震にたえられるのか、だれにもわかりません。この状態がこの先何年続くのか、それもわかりません。
 原子炉から放出された放射性物質(死の灰)が福島県をはじめ、東北地方や関東地方の多くの土地や海洋を汚染しました。その結果、その土地に住み続けなければならない人や、そこでとれた農作物、海産物を食べる人の健康が心配されています。おもな汚染の原因である放射性セシウム137の量は、30年たってもようやく半分になるだけですから、これから私たちはいやおうなしに放射能とつきあっていかなければなりません。そして、その中で健康を守っていくためには、放射線や放射能のことをよく知ることが必要です。
 事故がおきて、はじめて原子力発電にはこのように深刻な危険がともなうことに気がついた人が多いと思います。それはなぜでしょうか。
 これまで学校やテレビ、新聞などで、原子力発電の本当の姿を教えてこなかったためではないでしょうか。
 この本では、原子とは何かからはじめ、原子力発電の原理や、発電にともなって出てくる放射線が人体にどのように影響するのかなどについて解説します。
 読者の皆さんがこれからどのようなエネルギーを選択していくのがよいのか、考えるための資料となれば幸いです。
<この本の特徴>
 大地震と大津波による福島第一原子力発電所の水素爆発事故により、大量の放射性物質が放出され、大地に降り注ぎ、山や川、海を汚染しました。しかし、私たち人間は放射能を無毒化する手段をもっていません。今後何千年、何万年ものとても長い間、放射性物質に汚染された世界で生きていかなければなりません。
 本書は、放射線について、できるだけわかりやすく説明しています。放射線を正しく知ることで、なぜ危ないのか、どのように自分の身を守ればよいかを考えてもらいたいと思っています。
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<目次>
1章 放射線の基礎知識
・放射線って、なんだろう?
・放射線には、どんな種類があるの?
・内部被ばくと外部被ばくはどうちがう?
・放射性物質には、どんなものがあるの?
・放射性物質は、いつか消えてなくなるの?
・シーベルトやベクレルって、どんな単位?
・放射線はいつからあるの?
・人がつくった放射線はどんなもの?
・くらしに放射線が使われているの?
・医療被ばくって、なんだろう?
2章 放射線による人体への影響
・放射線は、なぜ体に悪いの?
・被ばくすると、どんな影響があるの?
・子どもは放射線の影響を受けやすいの?
・地面や海に落ちた放射性物質はどうなるの?
・放射線の基準値って何?
・放射線はどのように測るの?
・チェルノブイリ原子力発電所事故の影響って何?
3章 放射線から身を守る
・外部被ばくや内部被ばくをすると、ほかの人にうつるの?
・遊ぶ場所に気をつけたほうがいいの?
・除染って何?
・雨で流れた放射性物質はどこへ行くの?
・放射性カリウムは食べ物に多くふくまれているの?
・野菜の放射性物質は洗えば落ちるの?
・放射性物質をふくんだ水を沸とうさせると、飲めるようになる?
・どんな食品を食べればいいの?
・被ばくしているかどうかを調べることはできるの?
・放射線測定器はどのように使うの?
・原子力発電って、なんだろう?
・原子力施設で事故がおこったら?
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 最後に元素周期表まで付いています。これは、高校でも使えそうです。と言うか、大人もにも読んでほしい本になっています。もちろん、小学生でも分かるように書かれていますし、すべての漢字にはルビがふってあります。子どもがいなくても買って読む価値はあります。自分の役にも立ちますし、どこかで子どもたちに聞かれた時にきっと役にたちます。
 こどもたちに、真実を、伝える、教える、ってことはとても大事なことだと思います。はたして、大人たちはどんな世界を子どもたちに残そうとしているのでしょう?最近、大人の責任ということをよく考えます。

放射線の大研究amazonで買えます

原子力教育を考える会

原発ゼロでも電気は足りる・・・実証!2012/08/26 13:08

関電の電力需給状況
 「猛暑の夏」が終わろうとしています。そして「電力不足」などまったく起こりませんでした。そうです「原発ゼロでも電気は足りる」ということを実証した夏でした。
 上のグラフは8/15 東京新聞に載ったものです。今夏は8/3に最大需要2681万kWを記録しましたが、その時の供給力は3095万kWあり、差し引き414kWの余力で、原発2基236万kWをゼロにしてもまだ余力を残していることが分かります。
 政府や関電は「2010年並みの猛暑になれば電力が大幅に不足する」と言ってきました。ところが2010年猛暑と今夏の気温はほぼ同じなのに全く電力不足は起こりませんでした。政府の予想に反して節電・省エネが普通のことになっていました。もはや電力の大量消費時代は終わっているのです。
 夏前に「このままでは電力が不足する」と言った電力会社や国、「電力危機は命の危機」と恫喝した野田首相、「電力不足を回避するため」と大飯再稼働を認めた橋下大阪市長や関西広域連合の首長たち、そして声高に電力危機を煽った一部マスコミ・・・彼らは今どうしているのでしょう。またも「想定外」のできごとなのでしょうか。改めてこの夏の検証が必要だと思います。