玄海原発を突破口にするな! ― 2011/06/23 21:49
九州電力玄海原子力発電所、ここが今注目されています。定期点検などで停止中の原発の再稼働が問題になっていますが、この玄海原発が再稼働第1号になりそうだからです。
東京や関東の人間にとっては、遥か彼方の原発なのでよく知らないという人も多いと思います。遠いということは、九州の人たちに取っても同じで、福島原発の事故に対する危機感もだいぶ違うようです。九州の友人に聞いてみましたが、やはり、福島といっても、どこか遠い国の話という感じがあるとのことです。さすがに九州電力は原発事故の後3月には 再稼働の延期を発表していました。
遠い遠い玄海原発ですが、このままの流れだと7月には運転再開するかもしれません。そして、一つが再稼働すれば、同じ論理で日本中の原発が次々と再稼働されていくことになります。まさに、玄海が国にとっては「突破口」なのです。国は、一番突破しやすい所を選んだとしか思えません。かつて、プルトニウム燃料を使う「プルサーマル」導入の時も、日本で最初に導入したのが玄海でした。
地元の玄海町は40年以上前に自ら進んで原発を誘致した自治体でした。どこも同じですが、玄海町も町予算の6割以上が原発交付金などで成り立つ原発の町です。玄海町の岸本町長は4月には早々 容認を表明しています。
佐賀県の古川知事は当初慎重姿勢を見せていましたが、ここにきて前向き姿勢を見せています。国の説明には「一定の理解」を表明、6/21の県議会では老朽化した1号機の廃炉を求めた議員(自民党)に対し 「60年運転可能」と答えるなど、どうみても本音は原発推進です。国からのはっきりした言葉が聞きたいなどと言っています。そして、海江田経産大臣の来県を求めています。情けないことですが、知事の基本姿勢は「責任回避」です。原発は国がやってることだからという逃げの姿勢、住民の命を預かる首長としての判断と責任を避けているとしか思えません。 「政治判断を」強まる声(産経)
26日には、 「佐賀県民向け説明会」という「儀式」が開催されることになりました。経産省が主催、一般県民に学識経験者を交え、原子力安全・保安院が説明するという形です。参加者7人は国が選び、会場は非公開、取材も認めず、ネット中継するということです。こんな説明会ってありますか!!しかも、県民参加候補者は地元広告代理店が選定とのことですが、その代理店、九州電力がスポンサーだったりして。あまりにも見え見えの猿芝居が演じられようとしています。
その後、いよいよ海江田大臣が佐賀に行って「よろしく」って頭を下げる。知事は苦渋の決断とか言って最後は受け入れ表明するのではないか、ということを私は恐れています。古川知事は2009年、日本初のプルサーマル運転を受け入れた知事でもあります。
どうしてそこまで、なりふり構わずごり押しして再稼働を急ぐのでしょう?九州は電力が足りない?いいえ 「電力不足」なんてこじつけです。余力は小さくなりますが決してマイナスにはなりません。産業界とか回りが勝手に騒いでいます。例えば 九州商工会議所連合会の会長は九電工会長です。九電にとっては止まっている原発はカネを食うだけですから1日も早く再開したい。国にとっては、ここを突破口として今後の流れを決める重要な一里塚。しかも、夏の需要ピークに勝負を賭けようとしています。
こうやって、大事なことが、住民や、県民や、国民の気持ちや考えをまったく聞くことなく進んでいきます。こうして、これまでの原発も作られてきました。また同じことの繰り返しです。政治家は人々の願いを代表してその実現のために働くのが本来の役割ではないでしょうか。国民投票や住民投票ができないなら、いっそ、解散総選挙でもやって原発か脱原発か国民に問うべきです。
今日は、社会的な側面をお話ししてだいぶ長くなりましたので、「玄海原発そのものの危険性」については次回にお話しします。
追記: 玄海町政「癒着の構造」九電軸にうごめく政・業~玄海原発運転再開への疑問~
東京や関東の人間にとっては、遥か彼方の原発なのでよく知らないという人も多いと思います。遠いということは、九州の人たちに取っても同じで、福島原発の事故に対する危機感もだいぶ違うようです。九州の友人に聞いてみましたが、やはり、福島といっても、どこか遠い国の話という感じがあるとのことです。さすがに九州電力は原発事故の後3月には 再稼働の延期を発表していました。
遠い遠い玄海原発ですが、このままの流れだと7月には運転再開するかもしれません。そして、一つが再稼働すれば、同じ論理で日本中の原発が次々と再稼働されていくことになります。まさに、玄海が国にとっては「突破口」なのです。国は、一番突破しやすい所を選んだとしか思えません。かつて、プルトニウム燃料を使う「プルサーマル」導入の時も、日本で最初に導入したのが玄海でした。
地元の玄海町は40年以上前に自ら進んで原発を誘致した自治体でした。どこも同じですが、玄海町も町予算の6割以上が原発交付金などで成り立つ原発の町です。玄海町の岸本町長は4月には早々 容認を表明しています。
佐賀県の古川知事は当初慎重姿勢を見せていましたが、ここにきて前向き姿勢を見せています。国の説明には「一定の理解」を表明、6/21の県議会では老朽化した1号機の廃炉を求めた議員(自民党)に対し 「60年運転可能」と答えるなど、どうみても本音は原発推進です。国からのはっきりした言葉が聞きたいなどと言っています。そして、海江田経産大臣の来県を求めています。情けないことですが、知事の基本姿勢は「責任回避」です。原発は国がやってることだからという逃げの姿勢、住民の命を預かる首長としての判断と責任を避けているとしか思えません。 「政治判断を」強まる声(産経)
26日には、 「佐賀県民向け説明会」という「儀式」が開催されることになりました。経産省が主催、一般県民に学識経験者を交え、原子力安全・保安院が説明するという形です。参加者7人は国が選び、会場は非公開、取材も認めず、ネット中継するということです。こんな説明会ってありますか!!しかも、県民参加候補者は地元広告代理店が選定とのことですが、その代理店、九州電力がスポンサーだったりして。あまりにも見え見えの猿芝居が演じられようとしています。
その後、いよいよ海江田大臣が佐賀に行って「よろしく」って頭を下げる。知事は苦渋の決断とか言って最後は受け入れ表明するのではないか、ということを私は恐れています。古川知事は2009年、日本初のプルサーマル運転を受け入れた知事でもあります。
どうしてそこまで、なりふり構わずごり押しして再稼働を急ぐのでしょう?九州は電力が足りない?いいえ 「電力不足」なんてこじつけです。余力は小さくなりますが決してマイナスにはなりません。産業界とか回りが勝手に騒いでいます。例えば 九州商工会議所連合会の会長は九電工会長です。九電にとっては止まっている原発はカネを食うだけですから1日も早く再開したい。国にとっては、ここを突破口として今後の流れを決める重要な一里塚。しかも、夏の需要ピークに勝負を賭けようとしています。
こうやって、大事なことが、住民や、県民や、国民の気持ちや考えをまったく聞くことなく進んでいきます。こうして、これまでの原発も作られてきました。また同じことの繰り返しです。政治家は人々の願いを代表してその実現のために働くのが本来の役割ではないでしょうか。国民投票や住民投票ができないなら、いっそ、解散総選挙でもやって原発か脱原発か国民に問うべきです。
今日は、社会的な側面をお話ししてだいぶ長くなりましたので、「玄海原発そのものの危険性」については次回にお話しします。
追記: 玄海町政「癒着の構造」九電軸にうごめく政・業~玄海原発運転再開への疑問~
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