安全宣言を撤回し全量検査を〜コメ2011/11/18 21:08

低レベル内部被曝の蓄積
 安全宣言したはずのコメから暫定規制値を超える1kgあたり630ベクレルの放射性セシウムが検出されて大騒ぎになっています。たまたまJAの自主検査で見つかったものです。今さら何をやっているのか、あきれてものが言えません。佐藤知事は農民に謝らなければいけません。そして「安全宣言」を撤回し、早急に全量検査を行なうべきです。このままでは、福島のコメは誰も買わなくなります。ほんのわずかなサンプル調査で「福島のコメは安全です」と見切り宣言をした佐藤知事こそ「風評被害」の元凶です。
 今回、汚染米が見つかった福島市大波地区は、市の中心部から東へ8kmくらい離れたところにある低い山に囲まれた集落です。文科省の汚染地図ではセシウム134と137合計で1平方メートル当たり30万〜60万ベクレルの汚染濃度で福島市の中でも比較的高い地域です。ここには154戸のコメ農家がありますが、県の本検査が2地点と福島市の検査が4地点の計6地点のサンプル検査が行われただけでした。生産者全体のわずか4パーセントほどです。福島県全体でもこの程度のサンプル検査ですから、今回のような事態は誰もが予想したことです。
 国は汚染米が出た地区は全量廃棄処分としていたのに、急遽方針を変え、出荷停止にしました。そして今から地区内の農家全戸検査を行うとしています。このように、すべての対応が場当たりです。はっきり言って大波地区だけの問題ではありません。県内すべての地区で全量検査を行わない限り、安全宣言を誰も信用しません。
 国や県は今回の数値を「特殊なケース」として片付けたいようです。山から放射性物質が流れ込んだとか、土壌1kgあたり5000ベクレルほどの汚染だったとか、今になって急に言い始めました。でも、そんな田んぼは福島に山ほどあるのです。
 もうひとつ見過ごせないのは、マスコミ報道の中に、「精米すると6割除去される」「食べてもただちに健康に影響ない」というコメントが見られることです。読売、毎日、朝日もみんなそうです。そんなことを言うなら規制値とはいったい何なのでしょう。少なくとも「規制値超え」は食べてはいけないとしているのですから。
 上のグラフは今回の汚染レベルのコメを毎日食べ続けた時に体内に蓄積されるセシウムの量を試算したものです。仮に毎日2合ずつ食べ続けるとします。約72ベクレルです。セシウムの体内半減期を100日として計算しています。なんと、1年で1万ベクレルを超えます。それでもあなたは食べ続けますか?

コメの汚染 全量検査に取り組め(中日新聞社説)
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2011111802000010.html

セシウム米、僕が一番恐れていたこと(農家の婿のブログ)
http://ameblo.jp/noukanomuko/entry-11081118043.html