ツイッターデモに初参加(日記)2011/12/18 07:20

地球をもってデモ
 昨日(12/17)は久しぶりでデモに行ってきました。いわゆるTwitterデモというやつです。渋谷~青山~表参道というオシャレなコース。若い人たちに向かってデモるには絶好のロケーションです。ぬけるような青空の下、お日様をいっぱい浴びながら青山通りを歩くのはちょっぴり開放感があります。私はアースボールを頭に載せてのデモンストレーション。いつかこの広い通りをデモで埋めつくしたら・・・なんて夢見るオヤジです。
 Twitterデモは、ツイッターなどネット呼びかけによって集まった人たちのデモ。これまで主流だった労働組合や運動団体などの組織的な動きとは別に、単に「この指とまれ」式のその時その場でできる個人の集まりというのが特徴です。だから、バラバラです。揃いの旗もプラカードもありません。ハンドマイクはあっても、それぞれ勝手なこと言ってます。鳴り物入りですが、これもバラバラ。もちろんみんなの格好もパフォーマンスもイロイロです。ひとことで言えば、ユル~イ感じ。一人一人がそれぞれのスタイルで参加して自分の表現をすればいいという自由さが、このデモの特徴です。
 まわりを見渡すと若い世代が多いことに驚きます。これまで参加したデモの中で最も平均年齢が低くて、私などちょっと場違いなくらいでした。小さな子をおぶっている人を見て、25年前の自分を思い出しました。この子のために原発止めなきゃと思ってデモに参加していました。きっと同じ思いで歩いているはずです。今度こそ今度こそ原発止めないと、この子どもたちに申し訳が立たないです。
 最近は、組織化された「闘う」スタイルのデモはあまり見かけません。いわゆる組織の力が衰退したということもありますが、個人の意識の変化もあると思います。若者から見ると団体とか組織の雰囲気に近寄りがたいものを感じるようです。これからは個人が網に目のようにつながるネットワーク型の運動に可能性があると思います。
 一度こんなデモに参加してみませんか。

デモの動画がアップロードされています。
http://www.youtube.com/watch?v=OqNP_XmkZdQ

アートで表現する「原発危機」−22011/12/06 23:55

 ナカムラ氏の作品です。リンクが見られない方のために、ここで紹介します。タイトルは"A layer of something covered my hometown"です。本人のコメントより「今回目指したのは、表現されている内容は怖いのに、全然それを感じさせない、あっけらかんと綺麗なディスプレイ。それは福島で見てきた、透明な秋の風景そのもの。」

アートで表現する「原発危機」2011/12/05 21:18

"fallout"
 「放射能が飛び散った結果を汚染図が表しているんだね。白い木が人間に見える。」こんな感想をもらって、自分でも、はっとしました。これは昨日まで埼玉県松伏町の田園ホールエローラで開かれていた美術展「CON展」に出品した私の作品。タイトルは"fallout"です。
 実際は白い木じゃなくて稲穂ですが、木でも森でもいい、命あるものたちを表そうと思いました。稲穂は私たち自身でもあるのですね。足もとには金属光沢を放つ粒々が散乱しています。それは1cm×1cmの円柱、核燃料ペレットを表しています。同時にそれは危険な“マネー”。そして稲穂の群れを取り囲むように散らばっているのは放射能汚染地図です。私たちの世界を包み込んでしまった放射能、それはこのようにデータとしてしか見えません。しかも、全体を理解することはとても困難なことです。そんな、今、私たちが置かれている状況を表現しようと思いました。でも、作品的にまだまだ弱いし、気持ちばかりが焦ってもどかしい思いでいっぱいです。
 同じ部屋にあった現代美術作家のナカムラ氏の作品は、もっとすごいものでした。一見、くつろいだリビング風、床に敷かれたカーペットの上にはテーブルとの向かい合ったふたつのクッションが置かれています。よく見るとテーブルクロスは松伏町の地図、そして地図に無数のピンが刺され、先端には色とりどりの蝶々が浮かんでいます。彼は線量計を持って松伏町中の放射線量を測り、放射線量別に色分けした蝶々をその地点に刺したのです。ものすごくきれいな作品ですが、そこの描かれたものは薄ら寒い現実。この作品は町の人たちに強烈に訴えかけていました。 こちらに作品の画像があります。
 今回、期せずして二人が原発問題を作品にしました。アートに限らず、みんながそれぞれ自分のやり方で、自分の気持ちを表現していけば良いのだと思います。それにしても、ペレットの模型は大変でした。100個作りましたが、撒いてみるとほんのちょっとですね。こんな訳でしばらくブログがお休みでした。

◆「CON展」は、松伏町やその近隣を生活の場としている様々なジャンルのアーティストたちが自主独立で運営し、「生活の場」のアート化を目指して毎年開催している美術展です。今回で16回目となります。詳しくは オフィシャルホームページをご覧ください。

放射能と闘うより逃げるが勝ち!2011/11/14 06:09

セシウムの減衰曲線
 細野原発相が福島で民家の除染ボランティアに参加、土壌剥ぎ取りを手伝った細野氏は贖罪のつもりと神妙な態度です。原発公開に引き連れた取材陣を前に精一杯のパフォーマンスです。世の中は、いつのまにか「除染、除染!」の大合唱。でも、ちょっと待って下さい。汚染地帯からの避難という選択肢はどこにいってしまったのでしょう。それどころか除染して早く避難民を戻そうということまで言われています。国は年間1ミリシーベルト(空間線量率0.23μシーベルト/時)まで除染を目指すという方針を発表しています。まずは2013年8月をメドにとのことです。
 上のグラフは放射性セシウムの地表汚染濃度の変化を表しています。今後、地表面からの移動がないと仮定しています。つまり物理的半減期に従った減衰曲線ということになります。セシウム134の半減期は2年なのでセシウム合計の放射能量は最初の数年で急激に減ります。10年も経つと後は半減期30年のセシウム137の減り方に支配されます。ちょっと見るとどんどん減っていくように見えます。しかし、グラフの減りかたに安心してはいけません、現在の汚染がとてつもなく高いのですから。福島市の汚染が半分に減るのが6年後、それでも1平方メートル当たり10万ベクレルもあります。福島市のレベルが東京と同じくらいになるまでには100年以上かかります。右上の線は飯舘村のものです。このグラフをエクセルで作った時、間違っているのでは思い何度も計算し直したほどです。あまりにもひどい汚染です。現状で200万ベクレル/平方メートルという数値は100年やそこいらでは到底元通りになりません。
 このような汚染が大地全体を覆っているわけですから、生活空間全体の除染には相当な時間と労力とコストがかかります。先日のNHKテレビで児玉教授が標準的な家一軒の除染コストを試算して500万円以上と言っています。今そこに暮らす人々にとって速やかな除染は必要だと思います。しかし、放射能は今が一番強いのです。今すぐにできるならまだしも、国の言うように2年をメドになどと言っていたら、一番放射能の強い時にみすみす被曝を受けることになります。現状ではまず避難というのが基本ではないでしょうか。ぐずぐず検討などしているうちに被曝量はどんどん増えていきます。
 1ミリシーベルトを目指すというなら、現状で超えている汚染地帯については避難という選択肢をはっきり示すべきです。特に妊婦や子どものいる世帯では本当にまったなしです。なぜなら、子どもの育つ速度の方が放射能対策より早いからです。対策なんてぐずぐず言っているうちに子どもはぐんぐん育っていきます。その時が一番被曝感受性が高く危険な時なのですから。
 除染ばかりが優先されて避難選択が無視されているような現状は間違っています。国は一刻も早い事故収束を印象づけたいがために無理矢理、除染、帰還を急いでいるふうにも見えます。また、1兆円以上の除染費用が利権絡みの公共事業になりかねません。もしそうならとんでもないことです。さらに、最近はボランティアという声も良く聞きます。放射能との闘いを前面に出し、心情に訴えることで、ボランティア戦士を募ろうとしています。福祉分野でもそうですが、裏にコスト削減という下心もあるでしょう。大学生などの若い人たちが参加することは、被曝の危険性から絶対に薦められないことです。
 放射能レベルの高い今こそ避難を優先すべき時です。特に子どもたちは放射能レベルがある程度下がるまで故郷を離れることもやむを得ないと思います。それまでに除染をやって下さい。順序が違います。放射能と闘うより逃げるが勝ち!

「まず除染」大合唱の陰でホンネを言えなくなった飯舘村の“移住希望”村民(週プレニュース)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20111111-00000301-playboyz-soci

細野環境相が除染作業…「しょく罪の意識込め」(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111113-OYT1T00448.htm

出前講座第2弾(日記)2011/10/22 21:10

 20年ぶりでここに来ました。なつかしい越谷の生活クラブ生協。チェルノブイリ原発事故の後、初めて反原発出前講師をした所がここでした。あの当時越谷に住んでいて、生活クラブにも入っていました。同じ場所に戻ってきてこんな話をすることになるとは思ってもいませんでした。
 「どうなるの?放射能、私たちのくらし」うーむ!私の方が聞きたいテーマです。私には答えはわかりません。でも、お引き受けしました。それを、一緒に考えましょう!この問題、もしかしたら専門家も含めて誰も分からないのかもしれないのだから。
 2回シリーズの今回は、福島原発の現状と食品の放射能汚染についてということでしたが、はっきり言って状況不明、情報不足の中でお話しできることは限られています。たぶん参加者の皆さんが一番知りたい、何を食べたら良いのか?とか福島原発はどうなる?には答えることはできません。いきなり、大事なのは「想像力」です!なんて言ってしまいました。
 私自身の反省の意味もこめて、今回お話ししたことの一部ですが、何回かに分けてブログにも書いてみたいと思います。