本の紹介〜自分と子どもを放射能から守るには2011/10/12 21:07

自分と子どもを放射能から守るには
 連日、放射能汚染の拡大が報じられています。横浜でストロンチウムが検出されたり、もはや、関東地方も放射能汚染地帯であることがはっきりしてきました。すでに私たちは、多かれ少なかれこの放射能汚染の中で生きなければならない状況になってしまいました。
 さて、今回は本の紹介をしたいと思います。「自分と子どもを放射能から守るには」という、ズバリなタイトルの本です。一見、ハウツー本のようなタイトルの本ですが、実に奥が深い本当に考えさせられる本でした。それもそのはず、この本は、チェルノブイリ原発事故で深刻な放射能汚染被害に苦しんでいる(現在も)ベラルーシで、放射能汚染地帯で暮らす人々のために書かれた本なのです。著者は、ベラルーシのベルラド放射能安全研究所副所長のウラジーミル・バベンコさん。チェルノブイリ後の長い経験をもとに2003年にベラルーシで出版されました。今回の福島原発事故を受けてこの9月日本で出版されました。バベンコさんは、まさか日本語に訳されて出版されるとは思ってなかったと言っています。
 バベンコさんは、ちょうど今、来日中です。記者会見で、日本の食品の放射能規制が甘過ぎることを訴え、小さな記事になっていました。この本の中にも出てきますが、ベラルーシの規制値は種類別に細かく、しかもずっと厳しく設定されています。主食のパンは40べクレル(セシウム137)、飲料水は10べクレル、子ども向け食品は37べクレルなどです。それでも、バベンコさんは、子どもは37でも高過ぎ、0にすべきとまで言っています。チェルノブイリ原発事故で汚染された国がこの様な基準を守っているのに、日本はなんということでしょう。
 この本がオススメなのは、深刻な状況を訴えたり誰かを告発するために書かれた本ではなくて、あくまで、そこに生きる人々が希望を失わず、しかも単なる慰めでなく、科学的知見と経験をもとに、どうしたら放射能の害を減らせるのか、日常生活の中で実践できる方法を具体的に教えてくれるガイドブックということです。そこには、命を慈しむ暖かい眼差しと未来への決意と希望があります。
「数値」しか見えない科学者ではダメです。「命」を見つめることのできる科学者=人間でないと信用できません。。
 
<内容紹介>
 「自分と子どもを放射能から守るには」今日からできる! キッチンでできる!チェルノブイリからのアドバイス
ウラジーミル.バベンコ著、辰巳雅子訳、今中哲二監修。世界文化社、840円
チェルノブイリ事故から25年。時を経てわかった放射能の中を生きるすべとは。ちゃんと知って、ちゃんと食べて、賢く生き抜く12Files。ベラルーシの料理のレシピもイラスト入りで紹介。今中哲二先生の的確な解説コラム付きです。

目次

第1章 知って守る
File1 チェルノブイリ原発事故のこと 
File2 放射能とは? 
File3 放射能はどのようにして体に入る?
File4 放射能が体に与える影響 
File5 食品の放射能測定と暫定基準値 
File6 体内放射能を測る

  第2章 食べて守る
File7 キッチンでできる食品放射能の減らし方 <野菜・くだもの、きのこ、乳製品、肉類、魚介類>
File8 放射能から体を守る食生活 
File9 ペクチン剤とは?

  第3章 この地で生きる
File10 汚染地域で畑や家庭菜園をするには 
File11 汚染地域で生きるためにするべきこと 
File12 いっしょなら簡単に!

Amazon通販

日本の食品基準は甘すぎ ベラルーシ専門家が批判(スポニチ10/12)
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/10/12/kiji/K20111012001808700.html

(訂正)冒頭に書きました「東京の世田谷区でも毎時2.7マイクロシーベルトというホットスポットが見つかったり」・・・これは放置されたラジウムが原因らしいので、削除します。これも放射性廃棄物。怖い話です。

コメント

※コメントの受付件数を超えているため、この記事にコメントすることができません。

トラックバック