「放射能汚泥」は東電が責任を持って処理すべき ― 2011/06/16 20:09
ゴミは発生者が責任をもって処理するのがスジ!
今、放射能を含んだ下水汚泥が問題になっています。 (NHKニュース)
なんと、北海道から大阪までの広い範囲に及ぶ16の都道府県で放射性物質が検出されています。1キログラム当たりの放射性セシウムの濃度が最も高かったのは、福島市の44万7000ベクレルで、次いで東京都の5万5000ベクレル、前橋市の4万2800ベクレル、宇都宮市の2万6000ベクレルなどとなっています。
処分に困った自治体に対して、政府は今日基準を示しました。1キログラム当たり8000ベクレル以下の汚泥は埋め立て処分して良いなどとするものです。( JCASTニュース)
そもそも、どうして下水汚泥から高いレベルの放射能が出てくるのでしょう。 6/10の当ブログ「地表の残留放射能試算グラフ 」で、東京でも1平方m当たり7000ベクレルのセシウム137が降下して残留していると言いました。ここから試算すると、例えば25mプールでは水面の広さ400平方mですから、すべてそのまま残っているとすれば、プール1杯でなんと280万ベクレル存在することになります。これらの排水も道路を洗った雨水なども、結局下水に入って最後は終末処理場で処理されます。処理場では浄化と減量を何段階も行って、濃縮された汚泥ができます。さらに焼却により可燃物と水分を無くして焼却灰にしています。プール1杯分の水が全部飛んで固形物になれば、そこに高濃度のセシウムが残るだろうことはすぐに予想できることです。
汚泥に放射能が集まっているのは、ある意味、生活環境にある放射能を「除染」した結果と言うこともできます。せっかく集めた放射性物質は再び拡散させてはいけません。それを、8000ベクレル以下は一般埋め立て可能としてしまうことなどとんでもないことです。2005年の原子炉等規制法改悪でクリアランスレベル(いわゆるスソ切り)が導入されましたが、それでも規制対象外はセシウム137で1キログラム当たり100ベクレル以下とされています。汚泥の山に線量計を当てて線量は十分低いから大丈夫などというのは、環境放射能汚染による内部被曝をまったく無視したパフォーマンスです。それに、濃度というのは混ぜ物をして薄めてしまえば下げることができます。セメントにする場合、製品で100ベクレル以下にすれば良いというのはこの発想です。
さて、この問題をどう解決するか、原点に返って考えてみましょう。原点とは「ゴミは発生者が第一義的責任をもつ」ということです。放射性物質の発生源は明らかです。出るはずのない放射性物質が出たのだから、責任を持って元の場所に戻すのが発生者である東電の義務です。それなのに、今回の報道の中で、東電の責任にふれたものをまだ見ていません。
そこで、私はいくつかの提案をしたいと思います。
・すでに発生した放射性の焼却灰はセメントにして、今後大量に必要となる福島第1原発廃炉処理に使う。
・放射性の汚泥は焼却せず。乾燥固化の後、同原発に運び新設する焼却場で灰にしてセメント原料にする。(焼却に伴う放射性物質拡散を最小限にするため)
・セメント原料にならない汚泥は同原発周囲にすべて集めて保管する。
・処理に必要な費用は東電が負担する。
放射能汚泥を単に厄介者にするのではなく、街を洗ってくれた結果と多少感謝しつつ、元の場所に返してやるのがスジだと思います。
今、放射能を含んだ下水汚泥が問題になっています。 (NHKニュース)
なんと、北海道から大阪までの広い範囲に及ぶ16の都道府県で放射性物質が検出されています。1キログラム当たりの放射性セシウムの濃度が最も高かったのは、福島市の44万7000ベクレルで、次いで東京都の5万5000ベクレル、前橋市の4万2800ベクレル、宇都宮市の2万6000ベクレルなどとなっています。
処分に困った自治体に対して、政府は今日基準を示しました。1キログラム当たり8000ベクレル以下の汚泥は埋め立て処分して良いなどとするものです。( JCASTニュース)
そもそも、どうして下水汚泥から高いレベルの放射能が出てくるのでしょう。 6/10の当ブログ「地表の残留放射能試算グラフ 」で、東京でも1平方m当たり7000ベクレルのセシウム137が降下して残留していると言いました。ここから試算すると、例えば25mプールでは水面の広さ400平方mですから、すべてそのまま残っているとすれば、プール1杯でなんと280万ベクレル存在することになります。これらの排水も道路を洗った雨水なども、結局下水に入って最後は終末処理場で処理されます。処理場では浄化と減量を何段階も行って、濃縮された汚泥ができます。さらに焼却により可燃物と水分を無くして焼却灰にしています。プール1杯分の水が全部飛んで固形物になれば、そこに高濃度のセシウムが残るだろうことはすぐに予想できることです。
汚泥に放射能が集まっているのは、ある意味、生活環境にある放射能を「除染」した結果と言うこともできます。せっかく集めた放射性物質は再び拡散させてはいけません。それを、8000ベクレル以下は一般埋め立て可能としてしまうことなどとんでもないことです。2005年の原子炉等規制法改悪でクリアランスレベル(いわゆるスソ切り)が導入されましたが、それでも規制対象外はセシウム137で1キログラム当たり100ベクレル以下とされています。汚泥の山に線量計を当てて線量は十分低いから大丈夫などというのは、環境放射能汚染による内部被曝をまったく無視したパフォーマンスです。それに、濃度というのは混ぜ物をして薄めてしまえば下げることができます。セメントにする場合、製品で100ベクレル以下にすれば良いというのはこの発想です。
さて、この問題をどう解決するか、原点に返って考えてみましょう。原点とは「ゴミは発生者が第一義的責任をもつ」ということです。放射性物質の発生源は明らかです。出るはずのない放射性物質が出たのだから、責任を持って元の場所に戻すのが発生者である東電の義務です。それなのに、今回の報道の中で、東電の責任にふれたものをまだ見ていません。
そこで、私はいくつかの提案をしたいと思います。
・すでに発生した放射性の焼却灰はセメントにして、今後大量に必要となる福島第1原発廃炉処理に使う。
・放射性の汚泥は焼却せず。乾燥固化の後、同原発に運び新設する焼却場で灰にしてセメント原料にする。(焼却に伴う放射性物質拡散を最小限にするため)
・セメント原料にならない汚泥は同原発周囲にすべて集めて保管する。
・処理に必要な費用は東電が負担する。
放射能汚泥を単に厄介者にするのではなく、街を洗ってくれた結果と多少感謝しつつ、元の場所に返してやるのがスジだと思います。
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