全国の原発稼働状況と再稼働の動き2011/09/04 09:04

 今日から伊方原発1号機が定期点検に入りました。これで現在稼働中の原発は全国で11基のみとなりました。残り43基が停止中です。運転中の原発と定期点検入りの予定をまとめてみました。

大飯2号機(関西電力) 11月中旬
高浜2号機(関西電力) 11月下旬
玄海1号機(九州電力) 12月上旬
美浜2号機(関西電力) 12月中旬
玄海4号機(九州電力) 12月下旬
伊方2号機(四国電力) 1月中旬
島根2号機(中国電力) 1月下旬
高浜3号機(関西電力) 2月下旬
柏崎5号機(東京電力) 3月中旬
柏崎6号機(東京電力) 4月上旬
泊3号機(北海道電力) 4月(調整運転期間を含む)

 年内にさらに5基止まり、このまま再稼働がなければ、来春にはすべての原発が停止します。原発に依存しない社会はすぐそこに来ているのです。平和で静かな春が迎えられるかどうか、これからが正念場です。
 野田新首相は前々から「再稼働する」と明言しています。政府側の思惑では、年明け早々にどこかの原発を動かすつもりでしょう。ストレステストは早いところで今月中には終わります。その後、保安院と安全委員会のチェックに2〜3ヶ月、地元自治体の了承という流れになります。

■再稼働で狙われる原発はどこでしょう?リストアップしてみました。
 北陸電力の志賀2号機は、震災のあった3/11に定期点検に入っていました。運転開始(2006年)間もない新型炉という点も着目されています。ただし、谷本石川県知事は「福井県より先に再稼働はしない」と言っています。小泉志賀町長も慎重姿勢と伝えられています。
 四国電力の伊方3号機は、当初7月運転再開予定でしたがストレステストで延期になっています。ここでも、中村愛媛県知事が「ストレステストだけではダメ、新安全基準が必要」と言っています。
 関西電力は若狭湾にずらりと並んだ原発がほとんど止まることになるので、何としても動かしたいと狙っているでしょう。しかし、老朽炉も多く、データ入力ミスや、多くのトラブルを抱えており、再開は簡単ではありません。しかも、早川福井県知事は「福一事故が反映されないストレステストは問題外」と言っています。福井県の原発をめぐっては滋賀県や京都府も反発姿勢を見せています。
 九州電力では玄海3号機が再開待ちですが、はっきり言って、やらせメールやデータミスのため当分謹慎ということでしょう。
 北海道電力の泊1号も早い時期に再稼働の話が出てくるでしょうが、ついこの間3号機のだまし再開をしたばかりなので、少し遅らせるでしょう。
 最後に、意外と盲点なのが東北電力の東通原発1号機です。震災時は定期点検中でした。余震で電源喪失の危機がありました。それでもここが狙われるのは、被災地の復興のためとか、東北電力も被害者だというような意識を逆手に取って、「特別に」再稼働の話が出る場合があります。三村青森県知事は原発容認で当選したばかり、青森県は基本的に原発推進姿勢を維持しています。

 どの原発もすねに傷があるものばかりです。安全論争は平行線、そうなると、焦点となるのは「地元の同意」!今度こそ本当の民意を示して「原発返上」する一大チャンスです。福島原発事故の収束どころか、事故の原因究明どころか、事故状況の正確な把握すらできていないのに、再稼働は許されません。前首相が脱原発すると宣言しているのですから、大きな流れはできているはずです。なしくずしに元の道に戻ることはけして許されないことです。

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