セシウム牛問題・・・食品汚染を考える2011/07/16 17:33

福島と言えば赤ベコ
 国はこれまで、「市場に流通している食品はすべて安全です」と言っていました。以前、私が農水省に電話して聞いた時も、担当者からはそう言われました。実際どれだけの人がそれを信じていたかは別にして、国と各自治体はずっとそう言っていました。
 「安全だから流通販売される」のではなく、「流通販売されているから安全」なのだと、いつのまにか論理がひっくり返っていました。原発と同じです。国が守ろうとしているのは「命や健康」よりも「経済」の方だからです。だから、最大の問題は「風評」でした。しかし、今回のことで国は自ら墓穴を掘ることになりました。
 汚染地域産の食品については、全品検査をすべきです。規制値以下でも結果を表示して販売すべきです。早急に予算と人員をそろえて全品検査体制を構築することは極めて重要です。牛の全頭検査は無理などと努力もせずに言っていますが、BSEに関しては全頭検査を行っています。結局は、それによってしか、消費者の安心を得ることはできません。すでに、学校給食への使用自粛など、買い控えは一気に広がっています。消費者としては「安全確認ができないものは安全でない」という判断するしかないからです。
 またまた、ニュースには専門家が登場して「一回や二回食べても問題なし」、「1年間毎日1キロ食べ続けても安全」とか、言っています。これは問題の本質を理解していないか、そらしています。個人レベルにおいても、内部被曝によるリスクは食べた量に比例して増えます。たとえそれがほんのわずかであっても。しかし、もっと大きな問題は、たとえ少しずつでもたくさんの人が食べることによって社会全体の公衆被曝線量が増えるということです。食べられた量だけ社会全体のリスクが増大するのです。将来、統計的に確認された時では遅過ぎます。
 放射能に関する専門知識も放射線の測定器も何も持たない農家に責任を負わすことはできません。今回の問題を、「汚染稲わら」という特殊なケースで一件落着させ、本当の犯人探しをうやむやにさせてはいけません。

参考:セシウム137を食べた時の内部被曝量の計算法
 食べた食品に含まれるセシウム137の量を Cベクレルとしたとき、内部被曝量(単位:マイクロシーベルト)は
   C×1.36÷100