原発危機を考える

　３つの原子炉が同時にメルトダウン！！！それは、世界が初めて直面した未曾有の大危機です。２ヶ月以上経った今頃になって、東電はメルトダウンを認めました。世界はとっくにメルトダウンと言っていましたので、今更ニュースにもなりません。
　東電は国からデータおよびその解析結果の提出を求められて、ようやくまとまった報告を出してきました。東電のデータ収集および分析能力が余りに低くてこんなに時間がかかったのでしょうか。あるいは、これまで何度も繰り返されてきた隠蔽工作なのでしょうか。どちらにしても、とんでもない大問題です。少なくとも、公開された原子炉パラメータや様々な現場のデータは最近になって測定されたわけではなく、数値自体はその時から存在していたはずです。これまでも、公表するデータは東電がセレクトしていますし、計器の故障や、測定不能が多くて、大事なところで真相がわからないようになっていました。今回、分厚い報告書を提出しましたが、東電の場合、まだ隠していることがありそうです。
　少なくとも、未だに東電が現場の情報を握っていることは、危険なことです。すべてのデータを即時全面公開して、世界中の専門家の英知によって解析を行うべきです。毎日繰り返される東電の記者会見を見ていると、何ら悪びれず尊大なことに驚きます。今回の報告書提出も、結局IAEAの査察やサミットに合わせて出してきただけに見えます。
　メルトダウンが明らかになった後、残る最大の謎は「再臨界」があったかということです。東電はまだまだデータを隠しています。