先生に「放射線教育」?!2011/08/23 08:16

読売新聞8/23記事
 今朝(8/23)の読売新聞にこんな記事が載っていました。「放射線 先生も勉強」という見出しの記事。「正しい知識 風評被害防止」「研修や講習相次ぐ」とのサブタイトルも。いかにも、今回の事態を受けて、「放射線教育」に動き出したかのように書かれています。
 とんでもない!私のところにも毎年研修の案内が来ています。すべて、国が進める「原子力理解推進」研修です。今年もきれいなパンフレットが送られてきていました。まだこんなことやってるのかと驚きあきれていました。それが、文科省と資源エネルギー庁の「原子力教育支援事業」。はっきり言って「安全神話で洗脳」教育の場です。ずいぶん前ですが、一度だけ試しにと研修に参加して、柏崎原発の見学に行ったことがありました。20年以上前なので現在の支援プログラムとは別のものですが、ずっと昔から国は教育現場の利用は怠らずやってきていたのです。
 さらに今年は、教員免許更新講習でも「放射線教育」を取り上げるところがあると記事にあります。今のところ全国ではほんの一握りですが、東海村の放射線利用振興協会などの名も挙がっているようですからその内容は推して知るべしです。余談ですが、この免許更新制度、私も今年受講しました。はっきり言って、文科省の方針伝達研修です。特に必修部分は。
 まさに国をあげて推進してきた原子力政策。最近になって「放射線教育の空白」などと言っていますが、冗談ではありません。毎年何億円もの予算を使って、「洗脳教育」をやっていました。ただ、それが思ったほど効果をあげてなかったことに今更気付いて「放射線教育の空白」と言っているにすぎません。
 今後、国が教育をどう利用しようとしているのか注視して行かなければなりません。

 それにしても、読売新聞のスタンスは「風評被害防止!」つまり、放射線のことを「怖がり過ぎ!」ということです。放射線を「正しく」理解すれば「怖くない!」と言っているように聞こえるのですが、私の曲解でしょうか。

元記事が読売オンラインに掲載されていないようですので上記写真をクリックして参照して下さい。

「放射線」を学ぶ 基礎知識の習得で偏見なくせ(8月20日付・読売社説)風評の極端な一面だけとらえている
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20110819-OYT1T01086.htm

平成22年度の文科省「原子力教育支援事業」
http://www.atomin.go.jp/support/h_22/zissi/index.html
なぜか今年度のデータがネット上でみつけられませんでした。

コメント

_ nakagawa ― 2011/08/23 14:22

「原子力教育支援事業」も仕分けにかけて、削減いや廃止にして欲しい。
税金払うのやになっちゃいます。
原発事故の責任を取って更迭されたエライさん3人もたくさん退職金もらっただけじゃ足りなくてさっそく再就職。まだ税金から給料貰う気です。やれやれ。
http://ameblo.jp/warm-heart/entry-10992353045.html

記事の趣旨から外れてカネの話になっちゃいました。失礼しました。

_ 通りすがり ― 2011/09/17 23:29

原子力の知識なしに、原発の議論はできません。脱原発・反原発・原発容認、いずれにせよ。知識なしの議論は、おかしいです。これは、軍事でも言えます。軍事知識なしに、安全保障の議論はできません。環境、福祉、経済、何でもそうです。知識なしの議論は、感情論や、イデオロギーを介入させて内容をねじ曲げるなどを招きます。

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