生物濃縮・・・セシウム1372011/04/03 15:02

生物濃縮
 生物の「食う食われる」という食物連鎖によって、特定の物質が生物の体の中に濃縮されていく現象です。
 有名な例は「水俣病」です。水俣病は工場排水に含まれていた有機水銀という物質が原因でした。排水に含まれる有機水銀は植物プランクトンに吸収され、それを食べた小動物の体内にさらに濃縮され、それを食べた魚に濃縮され、最後にその魚を食べた人間の体に最高に濃縮されたのです。なんと1000万倍以上に濃縮されました。このとき国が原因を認めるまで12年もかかったのです。その間、患者は増え続け多くの悲劇を生みました。
 今、原発から出た放射性物質が海を汚染し続けています。セシウム137という物質は生物濃縮されることが知られています。スズキやカツオ、ブリなどでセシウム137が100倍以上に濃縮されることが報告されています。セシウムはカリウムと似ているため筋肉に蓄積されます。そのため魚を食べる大型魚により多く濃縮されます。魚のセシウム137の暫定規制値は体重1キログラムあたり500ベクレル以下ですから、それをクリアーするためには、計算上は海水で1リットルあたり5ベクレル以下の環境条件に相当します。ところが海水のセシウム137の基準値は90ベクレル以下となっています。それは生物濃縮を考慮していないからです。このように「生物濃縮」を考えると環境基準以下でも決して安全とはいえません。
 もともとの海水のセシウム137濃度は1リットルあたり0.003ベクレルでした(1996年)。すでに原発から30キロメートル沖合でも15ベクレルが検出されています(3/24)。これを基準値以下だから大丈夫とは簡単に言えないのです。
 今後、放射性物質の拡散状況と海洋生物への影響を長期にわたって調べていく必要があります。そして、私たちが口にする海産物は最低でも水揚げ単位でサンプリングし放射能検査を行って安全を確認してから市場に出すようにすべきです。風評被害を防ぐには正確な情報が不可欠。