すべての原発をいますぐ止めるべき2011/04/08 21:49

柏崎刈羽原子力発電所(東電より)
 昨夜遅く、大きな余震がありました。がたがたと音を立てて揺れ、しばらく横揺れが続きました。これは大変!すぐに頭をよぎったのは「原発は大丈夫か?」ということです。今日の段階で福島第1原発は「異常なし」と言われていますが、すであれだけ壊れていて異常なしとは、何をか言わんや。
 あらためて思います。残念ながら日本は地震国。こんな不安定な大地に、絶対に壊れてはならない原発というものを作ることが、果たして許されるのだろうかと。地震のたびにヒヤヒヤしながら、綱渡りをするような社会はこりごりです。いつの間にか、私たちは原子力発電というものに「命」を預けてしまっていることに愕然とします。

 今回の強い余震で、再びあちこちの原発で危機一髪。
 青森県の東北電力「東通原発」で外部電源が一時ストップし、使用済み核燃料プールの冷却ができなくなり、非常用電源に頼る事態となりました。ところが、非常用ディーゼル発電機3台のうち使えるのが1台だけ。しかも唯一の非常用の発電機で不具合が見つかっていたことがわかりました。その後外部電源が復旧したためかろうじて大事に至りませんでしたが、さもなくば福島第1の5、6号と同じになりかねません。
 また、宮城県の東北電力「女川原発」でも地震発生後、5回線の外部電源のうち1回線しか使えない状態になりました。しかも、バックアップの非常用発電機2台のうち、1台は使用できない状態だったということです。さらに、地震の揺れにより、使用済み核燃料プールの水が一部溢れたことが明らかになっています。

 そもそも、3.11大地震の時、緊急停止した11基のうち安定状態で「冷温停止」したのは3基だけで、危機に陥った福島第1原発以外でも5基が綱渡りでした。
 東海原発でも危機
 3.11の時は東京に一番近い、茨城県東海村の日本原子力発電「東海第二原発」でも外部電源が停止、非常用ディーゼル発電機3台のうち1台が津波でやられて2台で原子炉を冷却しました。「冷温停止」になったのは3日以上経った15日です。
 福島第1原発に国民の目が釘付けになっていますが、他の原発も危険な綱渡りをしているのです。

 ここが一番問題です。今も運転中の原発「柏崎刈羽」
 今回の大事故を起こした東京電力が新潟県に設置している巨大原発「柏崎刈羽原発」は、7基の原子炉をもち合計出力821万2千キロワットという世界最大の原発です。で今も4基の原発が動いています。もし、東京電力が福島原発事故における責任を少しでも感じているなら、なぜ柏崎の原発をすぐに止めないのか、それが理解できません。電力と命とどちらが大切なのでしょう。
 ここは2007年の中越沖地震で被災し、運転中の4基の原子炉がすべて緊急停止しました。炉心冷却システムが一部停止したため、すべてが「冷温停止」するまで24時間近くかかりました。この時も使用済み核燃料プールの水が一部溢れています。外部への放射能放出もありました。3億ベクレル以上のヨウ素131が排気塔から外部放出されています。この時は、幸い今回のような大事にならずに済みましたが、明らかに原発事故であり、後にIAEAの査察も入っています。その後、数々の問題点が指摘されています。設計時に想定した最大の揺れを全基で上回っていたこと。安全審査では無いとされた活断層があったこと。それでも、運転再開が強行されました。「事故は起こりえない」として。
 現在4基が運転を再開しています。東電が「起こりえない」とした事故が目の前に起こっているにもかかわらず、同じ論理で作られた他の原発を、そのまま何事もなかったように動かし続けていることほど、人をバカにした、しかも人を危険にさらす,許しがたいことです。すぐに、柏崎刈羽原発を止めてください。